ミカガミのシナリオライターさんから、シナリオの書き方に関する質問がきたので、この場を借りて回答したいと思います。

Q)「ゲームシナリオに固有名詞を出すべきか否か」について、悩んでいます。

これについては、色々な条件が考えられると思います。

・ゲーム自体が、固有名詞を禁じている場合
・固有名詞の種類や内容によって、可/不可が決まる場合
・キャラによる場合

つまりはケースバイケースだとは思うのですが、私個人としましては、固有名詞を出しても構わない場合は、具体的に記載した方が、よりそのキャラのイメージや個性が伝わるのではと考えています。
例えば、読書家のキャラの場合。単に「本が好きなんだ」という台詞よりは、
「太宰や芥川など、近代小説が好きなんだ」という方が、より具体的にキャラの性格を想起しやすい気がします。

また、これは乙女ゲームなどでは、割と重要な要素ではないかと私は考えているのですが、
「固有名詞を出すことで、よく知らないユーザーもそれに詳しくなれるのではないか」という効果です。

これは私自身、これまで少女マンガを読んだり乙女ゲームをしてきた中での感慨なのですが、
例えば自分の好きなキャラがバイクが好きなキャラだったとします。
私は免許も持っていないしバイクについての知識はさっぱりですが、
キャラが具体的にこのバイクが好きなんだ、と固有名詞を出した場合、きっとそのバイクをネットで調べると思います。

「女性は、好きな人の好きなものを知るのが、好き」
そういう傾向があると私は思うのですが、いかがでしょうか。教えてください。

 

A)
・固有名詞と商標について
これは質問者のライターさんもあげているように「まずはクライアントが設定したレギュレーションにあわせる」のが第一です。
あと、一般名詞と思っていても、じつは商標だったりということもあるので、そのあたりは要注意です。ボンドや万歩計タバスコが、じつは商標であって一般名詞ではない、とかですね。ちょっとでもあやしいと思った単語は、一度、調べてみてください。

このページも参考になると思います。

その上で、固有名詞の扱いが明確に指定がされていない場合。
そこではお客さま(ユーザー、読者)がどこまで知っているのか。これを想定することが大事です。
上記の例でいえば「ペッパーソース」と言っても、いまひとつピンとこない読者が一定数いるんじゃないかと考えて、だからその単語は使わない方がベターとすることもありえます。

 

・キャラの魅力を伝えるための小物として
別の視点の話として「キャラが何を好きか」「何を使っているか」は、キャラ立てとして、とても有効だと思います。
キャラが使っているアイテムを目にすることで「それを愛用している人」として、そのキャラ性をお客さまが認識するわけです。
たとえば浅見光彦の愛車は「トヨタのソアラ」という高級クーペという設定ですが、それも彼のスタイリッシュなキャラ設定を高めるために設定されているように思われます。

ただし、ここでも「お客さまが、そのアイテムに対してどこまで知っているのか」という考察は必要かなと思います。
あまり知らない読者が多そうなら、「知らなくても雰囲気だけ伝わればOK」として書く。
もちろん知らないお客が調べる可能性を考慮してもよいですが、「みんなが調べるだろう」とか、「知ってて当然だろう」と思って書くことは、危険なので注意しましょう。